ルードヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)
交響曲第1番 ハ長調 作品21
交響曲第3番 変ホ長調 作品55 「英雄」
1952年11月
ともに52年のEMI正規のスタジオ録音です。
フルトヴェングラーのライブで見せる、激しさ時には力みは影を潜め、
スケールは雄大で、彫りの深い演奏です。
録音もモノラルですが、正規の録音で、フルトヴェングラーの中での、
特に良好です。
もちろんその後のアナログ・ステレオ録音時代に比べれば劣りますが、
そんな録音にもかかわらず、中身の詰まった演奏を聴いていると、
フルトヴェングラーのベートーヴェンの演奏は、本当に素晴らしく、
もっと長生きしてほしかったと思わずにはいられません。
特に第3番「英雄」は、この曲最高の演奏と思います。
フルトヴェングラーでは、有名な1944年のウィーンフィルとの実況録音が
あり、そちらの方がよりドラマティックですが、
こちらはスタジオ録音ということもあり、より客観的で、
刻明さを増した演奏です。
でも、第1楽章の展開部では抉りの効いた情熱と第2楽章の葬送行進曲でも
表情の濃厚さが感動的です。
効かずに死ねない名盤ですね。
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