クラシックの名盤 フルトヴェングラーのブルックナー第九

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クラシックの名盤のベルリンフィル・シリーズ。
今回は、1944年のフルトヴェングラーをご紹介します。

 

アントン・ブルックナー(1824-1896)
交響曲第9番ニ短調
ウィリヘルム・フルトヴェングラー指揮
ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
1944.10.17ライブ録音

 

’44年6月6日に連合国軍がフランスのノルマンディーに上陸。
7月20日にはヒットラー暗殺未遂事件が勃発。
ヒットラーは奇跡的に無事だったが、それに関与したと思われる
関係者が次々と逮捕され、拷問に掛けられ、処刑された。

 

ヒットラーは、暗殺を恐れ、より閉じこもるようになり、
実質的な総統代理となったゲッペルスは、「国民総力戦」を宣言すると
歌劇場、劇場、サーカス、キャバレーなどを閉鎖し、そこで働く人々も
戦場へ送られるようになった。

 

そんな時でも、いやそんな時だからか人々は音楽を必要とし、
フルトヴェングラーは演奏を続けた。

 

このブルックナーはそんな状況下の演奏で、まるでベートーヴェンかと
思うほど、感興の赴くまま、テンポを動かし、ロマン的な演奏を展開しています。

 

最もブルックナー的ではない、フルトヴェングラーの体臭が色濃く出た演奏です。

 

追い詰められた明日の命の保証もない戦況下での演奏だから、自己をぶちまけた演奏だったのかかもしれません。

 

その心境は当事者でなければわからないでしょう。

 



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この記事を書いた人
ともやん

1957年、富山市生まれ。小学生の時、NHK交響楽団を指揮する岩城宏之氏を観てから、クラシック音楽に興味をもち、今日まできました。
現在、LP、CD、カセットテープを含めて約1000枚を所有しています。
好きな作曲家は、ベートーヴェン、ブルックナー、ブラームスと硬派です。
特にオーケストラ曲の名盤、珍盤、とんでも盤をご案内して行きたいと思います。
お付き合いのほど、よろしくお願いします。

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