ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調 「ロマンティック」
オットー・クレンペラー指揮
ウィーン交響楽団
1951年3月11日~15日
クレンペラーというと後年の録音にあるように
遅いテンポで刻明に演奏して行くとタイプと思われがちですが、
それは1960年代、クレンペラーが70代も中盤以降になってからで、
それまでは、現代音楽も得意とし、早いテンポで素っ気ない指揮をする人だったようです。
例えば、1955年のベートーヴェンの第5番「運命」なんて、
後年のクレンペラーからは想像できないような颯爽としたテンポで
覇気溢れる演奏を展開しています。
そして今日紹介する、ブルックナーの4番「ロマンティック」は、
笑っちゃうくらい早いテンポで、なんと通常の指揮者で60分前後のところを51分で駆け抜けています。
これはもしかして録音状況にも関係しているかもしれません。
当時は当然30センチLP時代。
片面で30分超えることはないですし、
このクレンペラーの録音時間を見ると第1と第2楽章の合計と
第3と第4楽章の合計が共に25分台。
なんか時間合わせた感が強いですね。
あと面白いのは、第2楽章の第2主題の旋律をチェロのソロで弾かせています。なんか箱庭的なブルックナーで笑えますね。
クレンペラーのある時期の貴重な録音として価値があると思います。
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