カール・シューリヒトが死に前年の1966年に録音した、
J・S・バッハのブランデンブルグ協奏曲は、まさに奇跡の名演です。
オーケストラはチューリッヒ・バロック・アンサンブル。
1880年生まれのドイツの名指揮者カール・シューリヒトは、まさに大器晩成の人で、ドイツ国内でキャリアを積んで名門ウィーンフィルと本格的に共演をし出したのがようやく75才になってからでした。
※それまでは30年代、40年代に単発で数回の共演があったのみ。
その時のウィーンフィルを指揮して演奏したのがブルックナーの第九交響曲。
録音が残っていますが緊張感溢れる情熱的な演奏です。
詳しくは次の機会に記しますが、プロ擦れしたウィーンフィルのメンバーをガツンと言わせたそうです。
その後ウィーンフィルのメンバーからも特別に敬愛されたとか。
さて、このバッハの録音当時、シューリヒトは85才。
しかし、なんと瑞々しい演奏なんだろう、活き活きとして躍動する木管や弦楽器。これを聴いて魂を揺さぶられない人は、クラシック音楽とは無縁な人でしょう。
先にも述べましたが、シューリヒトは高齢になってから世界的に名声を得た指揮者です。
しかも晩年は持病のリウマチの悪化で、指揮台にたどり着くまで相当時間を要したようです。
しかし、一旦指揮を始めるとその音楽は生命力に溢れ、まったく年齢を感じさせませんでした。そして、楽団員、聴衆に大いなる感銘を与えました。
この演奏は、その逸話を裏付ける生命力あふれる瑞々しいバッハです。
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