今日は、第二次大戦直後の混乱の中、
フルトヴェングラーもカラヤンもクナッパツブッシュも戦犯疑いで
演奏できない時期がありました。
そんな時ウィーン音楽界を支えたのが、ヨーゼフ・クリップス(1902-1974)でした。
お世辞にもイケメンとは言えないし、丸顔、メガネ、禿げ頭の愛嬌のある
風貌から受けるイメージとは違い、硬骨漢でさっぱりした印象の指揮者です。
ヨーゼフ・クリップスの名演中の名演、
チャイコフスキー交響曲第5番をお届けします。
この名演の名盤は、あの辛口評論家の故宇野功芳氏が絶賛している録音で、
僕もコバケンこと、小林研一郎の録音と合わせて大好きな録音です。
クリップスの名盤 チャイコフスキー交響曲第5番
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー – Pyotr Il’yich Tchaikovsky (1840-1893)
交響曲第5番 ホ短調 Op. 64
Symphony No. 5 in E Minor, Op. 64
1.(14:59) I. Andante – Allegro con anima
2.(11:28) II. Andante cantabile con alcuna licenza
3.(06:15) III. Valse: Allegro moderato
4.(12:09) IV. Finale: Andante maestoso – Allegro vivace
total(44:51)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
ヨーゼフ・クリップス – Josef Krips (指揮)
録音:1958年9月 Stereo
『ヨーゼフ・クリップス・エディション- The Early recordings -』
クリップスのチャイコフスキーの5番は、ウィーンフィルの美感と音の輝きを最大限に発揮させているので、
まるでリヒャルト・シュトラウスを聴いているような気分になります。
第三楽章のデリケートなエレガンスは他のどのCDよりも優れており、
両端楽章は彫りの深い、光彩陸離たる表現で、つねづねクリップスとは思えないくらい凄絶な迫力をみせている。宇野功芳著「名演奏のクラシック」講談社現代新書より
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