ルードヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)
交響曲第6番 へ長調 作品68「田園」
交響曲第8番 へ長調 作品93
ウィリヘルム・フルトヴェングラー指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団※
1952年11月(田園)
※48年11月ライブ(8番)
フルトヴェングラーの録音ではやはりベートーヴェンが一番です。
特に「第3番英雄」「第5番運命」「第7番」「第9番」の録音の中には、永遠に残したい世界遺産級が残されています。
それに比べ、偶数番号は、正規のスタジオ録音は、「第4番」と「第6番田園」のみで、しかも指揮者と曲の相性なのか、上記奇数番号の曲にくらべ、今一つであり、また他の巨匠の演奏に比べても聴き劣りしてしまいます。
田園は、第1楽章から表題の「田舎に着いた時の愉しい気分」を全く無視したようなスローテンポと深沈とした雰囲気で、突っ込みたくなる気持ちになりますが、響きは有機的で人間味とコクもあり、気が付いた時には、フルトヴェングラーの世界に引き込まれています。
そしてなんと言っても終楽章が素晴らしいです。
テンポはやや速めの設定で、心が澄んでいくような演奏です。
そして最後には、ぐっとテンポを落とし深く祈るように終わり様は、誠に感動的で素晴らしいです。
第8番は、全集として売り出すのに仕方なく入れた録音という感じで、
針音が混ざる劣悪な音質です。
大体フルトヴェングラーと言えばベートーヴェンですが、どういうわけか
第2番と第8番はあまり得意でなかったのか録音も少ないですね。
展開部やコーダでの追い込みや迫り方にフルトヴェングラーらしさは感じられます。
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