ベートーヴェン(1770-1827)
交響曲第7番 イ長調 作品92
交響曲第8番 ヘ長調 作品93
アルトゥーロ・トスカニーニ指揮
NBC交響楽団
1939年 NBCスタジオ 8H
僕はトスカニーニをいままであまり聴いてこなかったけど、
理由は、なんといっても残されている録音が古いからで、
しかもトスカニーニの明快でストレートな演奏スタイルと相まって
なんか干物のベートーヴェンやブラームスを聴いているように感じがしていたからです。
でもそんな僕にトスカニーニは凄いんだと思知らせてくれたのが、
1939年のベートーヴェン・チクルスの録音なんです。
これを聴く前には1952年録音の全集を聴いていたんだけど
音の生々しさは、この39年盤の方があるんですね。
きっとリマスターの違いだと思います。
評論家の福島章恭氏は、身もフタもない話と断りながら、
CDでは、トスカニーニの凄さは分からないと断言しています。
初期の頃のLPの方が断然良い音をしていて瑞々しいカンタビーレが聴けるそうです。
こういう話はよく聞くのですが、デジタル録音にしたメリットって
結局、長時間録音や複製を作りやすいなどで、音そのものは、アナログの方が良かったのかもしれませんね。
さて肝心の演奏のコメントですが、
これは評論家・許光俊氏のコメントを引用したい。
やはりトスカニーニはとんでもない指揮者だったのだと私は思う。
たとえ、1939年に録音されたベートーヴェンの交響曲第8番がある。
これが最初から異常なテンションの圧倒的な演奏なのである。
特に第一楽章後半の緊張感の高まりにはどきどきさせられる。
トスカニーニが嫌いな人でも、これを聴けば、彼が突出した音楽家であったことは否定できないだろう。
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