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ウィーン音楽界をねじ伏せたクレンペラーの運命

ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 作品67「運命」

 

オットー・クレンペラー指揮
ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
1968年5月26日ライブ

 

音楽評論家の吉田秀和氏の名著「世界の指揮者」の中でも、
オットー・クレンペラーのページは特に面白かったです。

 

吉田氏曰く、
クレンペラーのブルックナーのコンサートに行ったら、
杖を突いて出てきて椅子に座って指揮をしていたとか、
左手を像の耳の様にひらひらさせて指揮していたとか、
途中で不覚にも寝てしまって、目を覚ましたら、まだ同じ楽章が続いていたとか、

 

そして吉田氏は正直にも、結局クレンペラーの音楽は分からなかったと
結んでいました。

 

ただ、1968年にクレンペラーがウィーンフィルを振って演奏した、
ベートーヴェンの「運命」は、ウィーン音楽界で大評判になり、
普段クレンペラーに批判的な評論家をもひれ伏させた超ド級の名演だったと書いています。

 

その演奏がこれです。

 

遅いテンポで演奏時間も40分も掛かっていますが、
緊張感と気迫がみなぎる演奏で、ウィーンフィルも各所で
そのクレンペラーの気迫に押されるかのように気合の入って演奏しているのがわかります。

 

ベートーヴェンを愛する人、いや音楽を愛する人全てに聴いてほしい、
聴かずに死ねない名演です。




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