ベートーヴェン:交響曲第4番変ロ長調 作品60
グスタフ・クーン指揮
ボルツァーノ・トレント・ハイドン管弦楽団
2005年11月~2006年5月ライブ録音
前回に続いてクーン&ハイドン管の全集からです。
指揮者クーンは、本物の芸術家であり職人です。
この4番にも打ちのめされました。
この有機的な響きは、このデジタルな世の中にあって稀有な存在です。
1970年代ころまでの大らかでゆるかった時代の伸びやかさから、
それ以降の管理強化的できっちりしているけど面白さに欠ける
無機的な演奏が増える中でこの演奏は特別な存在と言えるでしょう。
また観客が音楽の楽しみ方を知っています。
最終楽章が終わって、最後の余韻まで十分楽しんでから、
間を取って喝采の拍手とブラボーの嵐です。
僕は、昨年の年末、東京文化会館で開催された小林研一郎&岩城宏之メモリアル管とのベートーヴェン全曲演奏で、曲が終わるか終わらないかで、
ブラボーと叫ぶ馬鹿野郎たち、いや多分一人か二人にかなり腹を立てました。
その点、クーン&ハイドン管のコンサートに来ている観客たちは、本当に音楽の楽しみ方、そして曲と演奏者に対しての敬意をしっかり持っていますね。
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