こんにちは、
ともやんです。
ヨーゼフ・マルティン・クラウスという作曲家をご存知でしょうか?
私は、アリアCD店主松本大輔著『このNAXOSを聴け!』を読むまで全く知らない作曲家でした。
この作曲家の紹介は、この本のいきなり最初に登場します。
しかも松本氏の紹介は、かなりテンション高いです。
ちょっとその松本氏のハイテンションな解説をご紹介しましょう。
“せっかくなのでその「ヨーゼフ・マルティン・クラウスの第3集』買って聴いてみた。
そしたらドカーン、大爆発。
すごかった。むちゃくちゃかっこよかった。
古典派、超・疾風怒濤音楽。
血沸き肉躍る、ある種ロマン派をも凌駕する激情的表現の大行進。
ハイドンの荒れ狂った中期のシンフォニー、モーツァルトの『交響曲第25番』などを髣髴とさせて、ときにそれら以上の快感と興奮を味わわせてくれる。
壮絶。”
こんな文章に接すれば聴かずに要られません。
ヨーゼフ・マルティン・クラウスについて
ここで簡単に、作曲家ヨーゼフ・マルティン・クラウスについて書きます。
モーツァルトと同じ1756年、ドイツ生まれ。
ただ、早くからスウェーデンで活動し、時のスウェーデン国王グスタフ3世に認められ、一気にストックホルムの宮廷副学長に就任。
しかも就任前に国王の指示で、5年間に渡って、ドイツ、オーストリア、イタリア、フランス、イギリスで音楽的研鑽を積みました。
国王からの信任の厚さが分かります。
しかもこのスウェーデン国王グスタフ3世が凄い人でした。
というよりもヨーロッパの歴史の中でも秀逸な人でした。
国王の地位に就くと、当時貴族が握っていた国政の権力をクーデターによって奪取。
その後、ロシア、デンマークとの戦争で勝利を収めヨーロッパでの確固たる名声を手に入れました。
同時に拷問の廃止、言論の自由、さらに社会福祉まで手がけたと言いますから、国王の鑑でした。
また、芸術・文化への理解と愛情も深く、ヨーロッパ各国の芸術家・文化人をスウェーデンに集めて、優れた文化の浸透に尽くしました。
ヨーゼフ・マルティン・クラウスは、その音楽分野の最高幹部だったのです。
彼は、そんな賢帝のもと伸び伸びと創作活動を続け、ハイドン、モーツァルトを超えるような名曲を生み出していきました。
しかし、1792年、国王は愛する劇場にて背後からの凶弾に倒れたのです。
享年46歳。
もしあと20年、30年長生きしていたら、スウェーデンはヨーロッパの大国となっていたかもしれません。
ヨーゼフ・マルティン・クラウスが、その国王の暗殺を悲しんで作曲したのがこのCDにも収録されている『葬送交響曲』。
そして作曲後、国王の後を追うように世を去りました。
享年36歳。
モーツァルトが死んだ翌年でした。
『葬送交響曲』は、全4楽章、快速楽章がありません。
しかも当時としては珍しいハ短調。
モーツァルトも使わなかった調性で、まさにベートーヴェンの世界観です。
クラシック音楽、そして交響曲を愛する人にはぜひ聴いて頂きたい一枚です。
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