こんにちは、
ともやんです。
音楽評論家にして文筆家、吉田秀和氏は、NHK-FMで長いことMCをされていました。
たしか亡くなられるまでやられていたそうで、僕は多分2010年頃、FM放送を聴いてまだMCをされていたので驚いた記憶があります。
そして、吉田秀和著『世界の指揮者』は名著で僕はボロボロになるまで読んでいます。
kこの本は面白い本ですが、吉田氏は、ウィーンフィルの演奏会で、実際にクナッパーツブッシュの振る『ブルックナー交響曲第7番』を実演で聴いていながら、途中で眠ってしまったともったないことを書かれています。
その中でクナッパーツブッシュの指揮姿を書いた部分が面白いので引用します。
“クナッパーツブッシュの指揮姿もまことに変わっていて、この比較的小柄な老人は指揮台に立って、片手は台にめぐらした欄干につかまったまま、もう一方の指揮棒をもった片腕も最小限にしか動かさず、ときどきうんと気合をこめて前につき出すと、例のブルックナーのあのホルンだとかチューバだとかのファンファーレが湧然(ゆうぜん)として咆哮しだすという具合だった。およそ、あんなに動かない指揮、腕というより腹でやっているみたいな指揮は、あとにもさきにも、ほかにみたことがない。”
なお、吉田氏は、クナッパーツブッシュを比較的小柄な老人と書いていますが、クナッパーツブッシュは、190センチ以上の長身だったとされているので、多分の吉田氏の印象がそう受け取った思われます。
クナッパーツブッシュ ブルックナー 交響曲第8番は永遠の名盤
この記事を書くにあたって、久々に聴きましたが、やはり深い感銘を受けました。
僕は、どちらかというとブルックナーの中でも第8番は苦手な方なのですが、クナッパーツブッシュで聴くと、この聴いている時間が永遠に続いてほしいと思うくらいです。
聴かずに死ねない名盤です。
アントン・ブルックナー – Anton Bruckner (1824-1896)
交響曲第8番 ハ短調 WAB 108 (1892年稿)
Symphony No. 8 in C Minor, WAB 108 (1892 version)
1.(15:55) I. Allegro moderato
2.(15:59) II. Scherzo: Allegro moderato
3.(27:41) III. Adagio: Feierlich langsam, doch nicht schleppend
4.(26:02) IV. Finale: Feierlich, nicht schnell
total(85:37)
ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団 – Munich Philharmonic Orchestra
ハンス・クナッパーツブッシュ – Hans Knappertsbusch (指揮)
録音: January 1963, Bavaria Studios, Munich, Germany
ウエストミンスター・レーベルの中でも屈指の名盤であるばかりか、クナッパーツブッシュの晩年を代表する至高のブルックナー録音としてあまりにも有名な演奏です。
数あるこの曲の中でも、ましてや50年以上経った現在においても最右翼に位置する演奏には違いありません。
これまで語り尽くされてきた名盤中の名盤を、タワーレコード限定のオリジナル企画盤として再発売いたします。
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