こんばんは、
ともやんです。
今日は、壮年期は、厳しく潤いのない演奏をしていたカール・ベームもおじいさんになって、潤いの演奏を遺した名盤をご案内します。
50年代までの、ベームは厳しく造型を作り上げる指揮者でした。
そのきりりとした厳しい演奏には、襟を正さずにはいられない魅力がありました。
でも、70年代にウィーンフィルと録音したベートーヴェン交響曲全集には、50年代には見られなかった力の抜けた演奏が聴かれます。
最初聴いた時は、ベームも老けたな、なんて思っていましたが、最近は、これはこれでなかなかいいな、感じるようになりました。
それとも僕自身が力が抜けてきたのでしょうか。
1953年録音のベーム&ベルリンフィルの録音と17年後の1970年のウィーンフィルとの演奏を聴き比べてみました。
53年当時60才前のベームもこの録音時は既に70代後半。
同じ「運命」の演奏はどう変化したでしょうか?
このウィーンフィルとの録音は、ベルリンフィルの厳しい造形美と激しい気迫、フルトヴェングラー統治下のベルリンフィルの重厚で怒涛のアンサンブルとはちがい、
もっと穏やかで、力こぶの入っていない、そしてウィーンフィルの豊穣なサウンドを楽しむ演奏になっています。
第1楽章の冒頭も気の抜けたような出だしで、第3楽章も気迫と緊張感に乏しく感じます。
最終楽章になってやっと気合が入って来たかなという演奏です。
でも決して平凡ではなく、ゆとりあるウィーンフィルの響きが素晴らしいです。
これはこれで名演と言えましょう。
ベームによるベートーヴェンの交響曲全集。いずれも1970年代前半にウィーン・フィルとともに録音されたもので、常に作品自体を見抜いて客観的な基準に立って楽譜を見直すベーム。現代オーケストラにより極めてオーソドックスなベートーヴェン像ながら、聴くほどに味わい深く感じられる名演です。
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